“「生きる」に寄り添う”本の賞『生きる本大賞』
イオングループの株式会社未来屋書店は、複数書店の有志書店員と連携し、「生きる」ことに寄り添い助けるような書籍の普及を目的として、『生きる本大賞』を創設しました。この賞は、様々な環境で暮らす人々の「生きる」助けになるような本を手に取ってほしいという願いから生まれ、1年間に発売された広義のノンフィクション・エッセイの中から、書店員が「一番良かった、伝えたい本」を選出しています。
これまでの大賞作品を見てみると、第1回は土門蘭氏の「死ぬまで生きる日記」、第2回は小山さんノートワークショップ編「小山さんノート」と奈倉有里氏「文化の脱走兵」がダブル受賞しています。どの作品も、読者の心に深く響くテーマを扱っていることでしょう。
去年の書店の様子を捉えた写真を見ると、多くの人々がこれらの本に触れ、それぞれの「生きる」を見つめ直すきっかけを得たのかもしれませんね。


『第3回 生きる本大賞』の大賞作品
そして、2026年8月28日に発表された『第3回 生きる本大賞』の大賞には、石田月美氏、頭木弘樹氏、鈴木大介氏、樋口直美氏による共著『専門家なしでやってみよう! オープンダイアローグ――安全な対話のための実践ガイド』(晶文社)が選ばれました。

この本は、精神医療やメンタルケアの世界で注目される「オープンダイアローグ」について、専門家ではない当事者たちが実際に体験した対話の記録を綴ったものです。選考委員の方々からは、「この本自体が見事なポリフォニーを体現していて、『ならば私は、どんな声を発してみる?』と世界に向かって小声でつぶやきたくなる。対話を信じる入り口に」というコメントが寄せられています。また、「安心できる場を作ろうとしているからこそ読者にもひらいた本となり、笑って泣いて、心をオープンにして読むことができる」といった声も聞かれました。
「危険な会話」が日常に溢れているという指摘には、私もハッとさせられました。私たちが普段何気なく行っている会話の中にも、相手を傷つけたり、誤解を生んだりする要素が潜んでいるのかもしれませんね。この本が提唱する「安全な対話」という考え方は、きっと多くの人にとって大切なヒントになるのではないでしょうか。
【大賞受賞作】
書名: 専門家なしでやってみよう! オープンダイアローグ――安全な対話のための実践ガイド
著者: 石田月美、頭木弘樹、鈴木大介、樋口直美
出版社: 晶文社

本書は、病気や困りごとを抱えた当事者たちが、オンラインで対話を行った記録を基に作成されたガイドブックです。説得や忠告ではなく、ただ互いの言葉に耳を傾け、対話を続けることの重要性が示されています。この営みが、人が生きる上での支えになりうるというメッセージは、私たちに深い共感を呼び起こします。問題を解決しなくても救いが訪れるという驚きは、対話の持つ新たな可能性を示唆していると言えるでしょう。
ノミネート作の紹介
今回のノミネート作品も、それぞれに心に響くテーマを持った書籍が選ばれています。
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遺骨と祈り 著者:安田菜津紀 出版社:産業編集センター

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悲しき虎(新潮クレスト・ブックス) 著者:ネージュ・シンノ 訳者:飛幡祐規 出版社:新潮社

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言葉のトランジット 著者:グレゴリー・ケズナジャット 出版社:講談社

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みえないもの 著者:イリナ・グリゴレ 出版社:柏書房

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ロッコク・キッチン 著者:川内有緒 出版社:講談社

これらの作品も、きっと私たち一人ひとりの「生きる」を豊かにしてくれることでしょう。ご興味のある方は、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
フェア開催と今後の展開
『第3回 生きる本大賞』の発表に伴い、未来屋書店をはじめとする全国の書店でフェアが開催されます。
実施店舗
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未来屋書店 全国194店舗(フェア開催店舗:96店舗、大賞のみ展開店舗:98店舗)
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青山ブックセンター本店(東京都渋谷区)
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TOUTEN BOOKSTORE(愛知県名古屋市)
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ほんの入り口(奈良県奈良市)
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本屋イトマイ(東京都板橋区)
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もくめ書店(山梨県南都留郡道志村)

このフェアは、より多くの人々に「生きる」に寄り添う本との出会いを届けるための大切な機会です。また、本フェアの開催書店も募集しており、選書リストや販促データなどが無償で提供されるとのことです。書店や図書館、学校図書館などで開催を希望される場合は、「生きる本大賞」公式SNSのDMから問い合わせてみてください。

詳細については、未来屋書店の公式ホームページでもご確認いただけます。
https://www.miraiyashoten.co.jp
賢作のまとめ
今回の『生きる本大賞』は、日々の生活の中で見過ごされがちな「対話」の重要性や、多様な「生き方」に光を当ててくれる素晴らしい賞だと感じました。特に大賞作品の「専門家なしでやってみよう! オープンダイアローグ」は、私たち一人ひとりが、もっと安心して自分を表現し、他者と関わるためのヒントを与えてくれるのではないでしょうか。時には、専門家の助言がなくても、ただ耳を傾け、語り合うことの中に、大きな癒しと発見があるのかもしれません。
皆さんも、ぜひこの機会に「生きる」に寄り添う一冊と出会い、ご自身の心と向き合う時間を持ってみてはいかがでしょうか。きっと、新たな気づきや、心の平穏を見つけることができるでしょう。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう。賢作でした。


